環境に優しい薪ストーブ(1)

カーボンニュートラルという考え方

人工林と間伐植物は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収して成長します。吸収された二酸化炭素は、植物の茎や葉、根といった有機化合物にかたちを変えて蓄積されます。
樹木から得ることのできる薪を燃やして排出される二酸化炭素は、もともと大気中に存在し、有機化合物として植物内に蓄積されていたものが再び空気中に放出されるだけなので、二酸化炭素の量は、このサイクルにおいては変わりません。このことをカーボン・ニュートラルといいます。
これに対し、石油や石炭といった化石燃料は、地中に埋まっている状態であり、光合成をするわけではありませんので、大気中の二酸化炭素を吸収することもありません。したがって、化石燃料を燃やした場合には、二酸化炭素が増えるだけ(カーボン・ネガティブ)の結果になります。


薪ストーブと環境負荷

薪ストーブが環境にやさしい理由は、このカーボン・ニュートラルの考え方で説明がつきます。実際には薪に加工したり、運搬したりすることが必要なため、厳密に言えばニュートラルにはならないのですが…。逆に言えば、身近なところから薪を入手すればするだけ、環境負荷を少なくすることができる、ということです。いずれにせよ、大量の輸送コストがかかり、しかも二酸化炭素を放出するだけの化石燃料を使った暖房器具より、薪ストーブのほうが環境に対する負荷が小さいということは間違いありません。
近年は放置された森林の荒廃に起因する災害が少なくありません。森林の整備は、地域の住民の暮らしを守る上で非常に重要です。そして、薪は有りある化石燃料とは異なり、森林を整備していくことによって、維持・生産し続けていくことのできる資源です。
近くの里山から採取した薪を使って暖をとり、料理をする。ストーブの炎を囲み、家族相互が仲良くコミュニケーションをはかる・・・という姿は、とても自然と人が寄り添った優しい暮らしを象徴しているように思えるのですが、いかがでしょうか?


  • [ユーザー様訪問]
  • 千曲市/越 様

モンゴルのパオをモチーフにしたという、素木と白のコントラストが特徴的な千曲市の越邸には、バーモントキャスティングス社の「アンコール」と「アスペン」の2台の薪ストーブが設置されています。

新聞社にお勤めのご主人、ガーデンデザイナーの奥様、2人のお子様という4人のご家族にとって、「アンコール」が設置されたリビングは、格好のコミュニケーションの場となっているようです。冬になり、薪ストーブに火が入るようになると「ストーブクッキングが楽しみ」とおっしゃるのは、奥様。「まるで火の魂が料理に入っているように、料理がおいしくなる」とのこと。また、暖かさの質も、心地よい暖かさがじわっと広がる感じで、とても気に入っているということでした。

越邸を訪れたのは6月。ちょうどご主人が冬に備えて薪の準備をしていました。最初は薪の入手や運搬・準備に戸惑いがあったようですが、いまではそれらが、格好のストレス発散の場になっているそうです。薪は主にクヌギやコナラの間伐材で、千曲市の森林組合から年間に4トン弱入手しており、そのことが森林整備の一助にもなっているとのことです。

奥様の仕事場ある事務所には、小型の「アスペン」が設置されています。こちらはグリーンの外観が素木の色調とマッチしていました。 奥様によると、薪ストーブを使うようになって、いちばん変わったのは、冬が待ち遠しくなったこと。ストーブクッキングもそうですが、炎の揺らめきを眺めているだけでも、癒される感じがして、それがとても気に入っているということです。